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朝霞アートギャラリー・プロセス・

朝霞アートギャラリー

トワイライトショット

通りより全景をみる。

所在地

 

設計・工事

埼玉県朝霞市

 

2015.12~2016.03/2016.04~2016.12

敷地面積 674.65 ㎡
建築面積 147 ㎡
延床面積 166 ㎡
構造、規模 混構造(RC壁構造+小屋組木造)
用途 喫茶店
計画概要

古民家部材の再利用
多種多様な美術品の展示空間
音楽の演奏会場
地域コミュニケーションの場としての喫茶店

 

建物の外形は以前の茅葺屋根の古民家であった当時の形状を大きく変えることなく、地域に合った形で馴染むように計画している。
また、この地域に開き、地域のコミュニティの場となるように、通りを行き交う人々を呼び込む仕掛けとして、通りからエントランスまでのアプローチに建物へのアッパーライトで周辺を明るくしている。それと同時に周囲の防犯性も高め、安全性を寄与するよう計画している。
屋根頭頂部はガラスの三角屋根とし、建物全体の排煙、換気を賄うと同時に昼間の日の光を、天井に設けた障子越しに間接的に内部を柔らかく明るくしている。

和室であり、陶器展示コーナーでもある部分には、旧古民家の茅葺部分に使用していたススダケを利用し、和室の天井へ再利用している。
このススダケを天井より吊下げ、ルーバー状に設置することで新しい部分と古い部分との調和を図っている。

解体前の古民家にはケヤキの大黒柱、中黒柱 小屋梁はケヤキの太鼓梁、丸太梁等が使われていて、一度すべてを解体し、選定し、再構築していった。
なるべく、古民家のあった状態にて組み上げていったが、計画に合わない部分もあり、長い部分はカットし、短い部分は車知やボルトを用いて長さの調整を図った次第である。
仕口には釘や金物は用いず、ホゾや込み栓を用い部材の固定を計ることで古くからの構法にて小屋組みを再現していった。

古民家の小屋梁として使われていた丸太梁を一部再利用し、壁はRC造、小屋組は木造といった形で再築し、古材を継承することで、建物のアイデンティティーと建て主の思い出を継承することができ、愛着の沸く建物となったのではないかと思う。

写真撮影 桧川泰治